空の誘惑

さっちゃんはブランコが大好き
公園に行くと横で漕いでた男の子が、立ち上がって大きく漕ぎだしました
ブランコはどんどん大きく揺れて、鎖はどんどん大きくしなって
そのまま勢いをつけてジャンプ！
見事に着地！男の子は去っていきました
羨望の眼差しで見ていたさっちゃんは、衝動にかられ・・立って漕ぎはじめました
初めは怖かったけど顔に当たる風は気持ちよくて
空が遠くなったり近くなったり、すっかり楽しくなってきました
すると・・真っ青な空が話しかけてくるような錯覚に陥りました
「さっちゃん、飛んじゃいなよ！気持ちいいよ！」
「でも・・」
「大丈夫だよ！さっきの子もできたじゃない！」
空の後押しで意を決したさっちゃんは・・思い切ってジャンプ！
が・・おでこからの着地・・
目の前が真っ暗になって
急に青空から星空に変わりました
お母さんが慌てて飛んできて
さっちゃんが涙目で一言
「空に裏切られた・・」