星天シャワー

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 六月七日、午前零時。暗い部屋のなかで、スマホが光る。高校の同級生のあの子からの電話だ。


 「もしもし?急なんだけど空を見て欲しいの!」
 あの子に言われた通りに窓を開けて、空を見るが、曇っている。
 「見た?いい?そのまま空見ててね!」
 そうあの子が言った刹那…空が晴れ、綺麗な綺麗な星空が目の前に現れた。

 
 「星屑商會さんでね、“星天シャワー”って言うのを買ったの。晴れる天じゃなくて、星の天って書くんだけど…ほら、結婚式で“フラワーシャワー”ってあるじゃん。あれの星バージョンみたいな感じかな。空を目掛けて、“星天シャワー”を投げると、“晴天”にするだけじゃなくて、“星天”にできるの。あとね、“星天シャワー”には、願いが叶うっていう言い伝えがあって…」
 あの子はすうっと息を吸い込むと、星天に向かって叫んだ。
 「T!お誕生日おめでとう。どうか、Tが幸せでありますように!」
その他
公開:20/06/07 00:00
更新:20/06/07 00:00
21歳のお誕生日おめでとう 親愛なる友だちTへ 星天と書いてせいてん

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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