ラーメンたべたい
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居酒屋で同僚と呑んだ帰り、一軒のラーメン屋を見つけた。ちょうど小腹が空いていたこともあって、ふらふらと暖簾をくぐる。
「ラーメンひとつ」
店主は「あいよ」と返事し、のそのそ準備を始めた。
「お待ちどう」
思いのほか早く出てきた。早速、湯気の立った細麺をすする。
……あ、旨い。
麺の喉越しもさることながら、コクのある深い味わいのスープも絶品。思わず一気に食してしまった。……まだ入りそうだ。
「替玉、お願いします」
「……硬さは?」
「硬めで」
気づけばそんなやり取りをしていた。
「へい、替玉お待ち」
店主の声に顔を上げると……厨房の奥から自分そっくりの男が現れた。
「夜分恐れ入ります。私が替玉です」
……確かに硬めだ。七三分けだし。
「いや、何かの冗談?替玉っていうのは麺……」
言いかけて、急に視界が暗くなる。
あのスープの深い味わいの秘密が、わかった気がした。
「ラーメンひとつ」
店主は「あいよ」と返事し、のそのそ準備を始めた。
「お待ちどう」
思いのほか早く出てきた。早速、湯気の立った細麺をすする。
……あ、旨い。
麺の喉越しもさることながら、コクのある深い味わいのスープも絶品。思わず一気に食してしまった。……まだ入りそうだ。
「替玉、お願いします」
「……硬さは?」
「硬めで」
気づけばそんなやり取りをしていた。
「へい、替玉お待ち」
店主の声に顔を上げると……厨房の奥から自分そっくりの男が現れた。
「夜分恐れ入ります。私が替玉です」
……確かに硬めだ。七三分けだし。
「いや、何かの冗談?替玉っていうのは麺……」
言いかけて、急に視界が暗くなる。
あのスープの深い味わいの秘密が、わかった気がした。
ホラー
公開:20/05/15 19:55
更新:20/05/15 20:00
更新:20/05/15 20:00
54字リメイク
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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