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幾ら作品を書き連ねようとも、私の心は満たされる事はない。
数十、数百、数千を超えてなお、感じるのは己の未熟さばかりだ。
幾ら称賛の言葉を受けようとも、私の心には響かいない。
もっとより良く出来たはずだ…それが出来ていれば、称賛の中に見え隠れする嘲りの声が聞こえる事もないだろう。
だから私は書き続ける。私は作品を書いている時だけ、少なからず満たされていると思う。
己が書くまだ見ぬ作品に思いを馳せる。作品が勝手に動き出し、作者である私の考えも及ばな場所に到達するその時を。
だが、私が未熟故にその時は来ない。ならば、その時が来るまで書き連ねるだけだ。
満たされない。だから満たされるかで書く。
乾いている。だからこそ本を読み、己が知識を深めていく。
技術を飲み干し、技法を食らい尽くし、それでもまだ満ちぬというのであれば満ちるまで書き続けよう。
ああ…全く作家という生き方は呪いそのものだ。
公開:20/05/15 18:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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