西洋館の幽霊⑨

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 古い西洋館は四方を有刺鉄線を巡らせた高い門と塀が隙間なく囲み侵入者を阻んだ。
 しかし塀の上に張り巡らされた有刺鉄線の一部に撓みを見つけた。その付近の林を探索し草でカモフラージュされた梯子と固く口の縛られたナイロン袋を発見する。袋の中には懐中電灯、軍手、ブルーシート、穴の開いた白いシーツ、そして手紙が入っていた。その手紙は天国にいるお母さんの近況を知りたいと、良行君から西洋館の幽霊宛のものだった。そして、門のすぐ側に朽ちかけた郵便受けを発見した。
 その後、水本先生に電話して優介君の同級生、哲志君と拓海君について聞いた。
 2人共、優介君がキャプテンとして所属していた少年野球チームのメンバーで哲志君はチームのエース。柔道もしており大人顔負けの体格。拓海君は逆に低学年の子と間違われる程、背は低いが身軽で足が速い。2人共スポーツ万能だった。
 そして3人は羨ましい程の固い友情で結ばれていた。
ミステリー・推理
公開:20/05/16 11:00
更新:20/05/22 00:05
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
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