せんさいな雲

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羊飼いのジャンはいつものように山をゆらりと歩く。
30匹もの羊を放牧し、見守り、ゆっくりと流れる日常。
1匹、1匹に愛情をかけて、のびのびと大地に放つ。
「レン!!ピエールが迷子になってるよ。」
ジャンの相棒、レン。放牧犬だ。
もう、1匹、モロ。とても優秀だ。
彼らが迷子の羊を列に戻す。
羊の躾はおてのもの。
羊を愛し、羊を見守る。

「ウル!!ヒグマだ!なんとかして!」
ウルは羊たちを外敵から守る、護衛犬だ。
優秀な3匹の部下にジャンはいつも助けられる。
だからこそ、ジャンは彼らに充分な食糧を与え、充分に抱擁し、充分に愛をかける。
 
長い年月をかけて、じっくりと羊を育て、愛情をかけ、極上のウールとして、我々の元に届ける。
羊たちは雲のように、白く、優しく、ゆっくりと、大地を渡る。
せんさいな人の気持ちと、それを受け継ぐ犬達の気持ちを受け取って、世界中に愛を届ける。
その他
公開:20/05/13 20:39

ポエマータカノ( 横浜 )

愛を言葉で伝える事が使命だと感じている。
42歳のおじさんです。
カラオケ、料理、笑わすこと、読書、哲学、物思いにふけること大好きです。

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