おいしい色鉛筆

6
4

夕飯の時間まであと2時間。
私はそろそろ泣きそうな腹の虫とメニューの相談をする。
「今日はポテトサラダとヒレカツにしよう!」と、色鉛筆を走らせる。
衣はこんがりキツネ色。
ナイフで切った断面はミディアムレア。
具沢山のポテトサラダに真っ赤なトマトを添える。
お味噌汁はお豆腐。
丁寧に色鉛筆を走らせる。
「出来た!」
画用紙いっぱいのおいしそうなディナー。

日に一度、おいしい絵が本物に変わる。
「今日もお手伝いありがとう!」
心から色鉛筆にお礼を伝える。

途端においしそうな香りが広がった。
机を見ると、今日も画用紙にあるはずの絵が並んでいる。

「わー!おいしそう!」
1人、歓声を上げる。

さっそくいただきますをして、お味噌汁をすする。
最高においしい!

ヒレカツを口に含む。
じゅわーと肉汁。
白ごはんを口に…と思ったら、
ご飯を描くのを忘れたぁぁ………
その他
公開:20/05/14 15:44
更新:20/05/15 07:42

ほんだのほ

◉「隕石家族」✖︎ショートショートガーデン コラボ
で、【白ネギ家族】が巨大隕石賞を受賞。

◉せたがや朗読教室プチプラージュ主催の朗読会で【おいしい色鉛筆】を朗読していただけることに。

日時:9月23日(祝木)11時~12時
場所:日本近代文学館
朗読出演者:10名(5名は高校生)
観覧者:最大30名(会場の定員は120名)
入場料:無料
主催:せたがや朗読教室プチプラージュ 
目的:10代~20代の朗読活動を応援するため
朗読形態:全文をそのまま朗読(1人2作品)
※公演が中止の場合は動画または録音によりYouTube公開


皆さんの心に少しでも引っかかるような作品を届けたいです⭐︎

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容