24
15
薄暗い帰り道、公園の前を通るとブランコが微かな風に揺れていた。何の気の迷いか、私は誰もいない公園にふらりと足を踏み入れた。
そっとブランコに腰掛けて軽く漕いでみる。風が自分の中を通り抜けた。そう、あの頃のように。
「なんで大人がブランコのってるの?」
すぐ横で声がした。見ると小さな女の子が立っている。私は慌てて立ち上がった。
「なんでだろうね…疲れてたからかな」
少女は首を傾げた。判らなくて当然だ。
「見てて!」
少女は勢いよくブランコに飛び乗ると、立ったままあっという間に高いところまで漕いだ。
「ねえ、危ないよ…」
「平気!」
上から少女が叫んだ時、ポケットから何かが飛んで、離れた草むらにぽさりと落ちた。
「何か落ちたよ…ほら」
振り返ってぎょっとした。
ほんの一瞬の間に、少女の姿はかき消えていた。
更に拾った物を見て目を疑う。
―それは私が子供の頃に流行ったキャラメルの箱だった。
そっとブランコに腰掛けて軽く漕いでみる。風が自分の中を通り抜けた。そう、あの頃のように。
「なんで大人がブランコのってるの?」
すぐ横で声がした。見ると小さな女の子が立っている。私は慌てて立ち上がった。
「なんでだろうね…疲れてたからかな」
少女は首を傾げた。判らなくて当然だ。
「見てて!」
少女は勢いよくブランコに飛び乗ると、立ったままあっという間に高いところまで漕いだ。
「ねえ、危ないよ…」
「平気!」
上から少女が叫んだ時、ポケットから何かが飛んで、離れた草むらにぽさりと落ちた。
「何か落ちたよ…ほら」
振り返ってぎょっとした。
ほんの一瞬の間に、少女の姿はかき消えていた。
更に拾った物を見て目を疑う。
―それは私が子供の頃に流行ったキャラメルの箱だった。
その他
公開:20/05/14 15:16
更新:20/05/14 15:19
更新:20/05/14 15:19
公園
ブランコ
夜
2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnoteと公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません
【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・note×Panasonic「思い込みが変わったこと」コンテスト 企業賞
・SSマガジン『ベリショーズ』掲載
(Kindle無料配信中)
【近況】
第31回やまなし文学賞 佳作→ 作品集として書籍化(Amazonにて販売中)
小布施『本をつくるプロジェクト』優秀賞
【note】
https://note.com/akishiba_note
【Twitter】
https://twitter.com/CNecozo
ログインするとコメントを投稿できます