どこから来たの

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薄暗い帰り道、公園の前を通るとブランコが微かな風に揺れていた。何の気の迷いか、私は誰もいない公園にふらりと足を踏み入れた。
そっとブランコに腰掛けて軽く漕いでみる。風が自分の中を通り抜けた。そう、あの頃のように。
「なんで大人がブランコのってるの?」
すぐ横で声がした。見ると小さな女の子が立っている。私は慌てて立ち上がった。
「なんでだろうね…疲れてたからかな」
少女は首を傾げた。判らなくて当然だ。
「見てて!」
少女は勢いよくブランコに飛び乗ると、立ったままあっという間に高いところまで漕いだ。
「ねえ、危ないよ…」
「平気!」
上から少女が叫んだ時、ポケットから何かが飛んで、離れた草むらにぽさりと落ちた。
「何か落ちたよ…ほら」
振り返ってぎょっとした。
ほんの一瞬の間に、少女の姿はかき消えていた。
更に拾った物を見て目を疑う。
―それは私が子供の頃に流行ったキャラメルの箱だった。
その他
公開:20/05/14 15:16
更新:20/05/14 15:19
公園 ブランコ

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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