泳げない宇宙旅行

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金にものを言わせて、宇宙旅行になんか来るものではなかった。
俺は一切泳ぐことができない。
泳ぐという感覚が全く理解できないのである。
身体の動かし方も分からなければ、前に進むこともできない。

仕方が無いので、テレキネシスで自身の身体を動かしている。
パイロキネシスで料理をする。
クレヤボヤンスで機器の不具合を確認できるので、メンテナンスも可能だ。
エレクトロマスターで電気不足には陥らない。

サイコメトリーで人間関係のギスギスが直に伝わってくる。
プレコグニションで宇宙船が爆発四散する未来が分かっている。
まあ、俺はこっそりとテレポーテーションで船外へ移動するのだが。
アポートで空気層を纏うので関係無い。

他の船員は、空気の無い宇宙空間でも生きることができるという。
俺とは生まれも育ちも何もかも、根本が違うのだ。
宇宙は広い。
際立った特徴が一つも無いちっぽけな俺は、孤独を感じている。
その他
公開:20/05/13 01:11
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undoodnu( カントー地方 )

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