最後に残るのは

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いつからだろう。
いつまでだろう。
息の詰まるピトス(箱)の中。
膝を抱えて、ただただじっとしていた。
みんな同じ思いか、身動き一つない。

急展開。
その時は来た。
頭上から差す光。
我先にと一斉に飛び出す。
僕も手を伸ばした。
けれど、再び訪れる闇。
僕だけが! 僕だけが出られなかった。

みんなが自由を謳歌していると思うと、羨ましい。哀しい。
嘆きの言葉を呟いていると、風が吹き込んできた。
蓋が開いてる!
今度こそと立ち上がると、ヒョイっと碧い目がのぞいた。

あたし、エルピス(希望)。あなた誰?
僕は、アンスロポス(人)!
『ガンッ!』『ゴッ!』
頭強打。
「……っ、嘘だろ!?」
涙目も誰にも見られず、声も届かず。
そして僕はピトスに暮れる。
ファンタジー
公開:20/05/12 23:43

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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