極秘首都機能移転計画
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政権は危機に瀕していた。
戦争に負けて、本土に攻め込まれそうでまずい。
首相は汗を流しながら協議を重ねていた。
「最終手段、極秘首都機能移転計画を敢行させなければ」
首相の言葉に、会議室は静まる。
流石は一国の主、威圧感もさることながら声質も一級品だ。戦争に負けそうだからといっても、この首相を裏切ることは誰もないだろうと思っていた。ただ一人を除いてである。
その男、Aは真っ先に国を裏切った。
内部情報を敵国に売却し、家族ごと国を去ったのである。
その後、国は占領され、首相は責任を取らされ戦犯として処分された。
後年、Aはインタビューに答えた。
「ずばり、なぜ裏切ったのですか?」
「戦争真っ只中に、ありもしない計画をどれだけ早口でそれっぽく言えるか大会、をやってまして。そんなに難しくない言葉だったし。駄目でしょ」
Aは裏切り者だったが、彼を責めた元国民は一人もいなかったという。
戦争に負けて、本土に攻め込まれそうでまずい。
首相は汗を流しながら協議を重ねていた。
「最終手段、極秘首都機能移転計画を敢行させなければ」
首相の言葉に、会議室は静まる。
流石は一国の主、威圧感もさることながら声質も一級品だ。戦争に負けそうだからといっても、この首相を裏切ることは誰もないだろうと思っていた。ただ一人を除いてである。
その男、Aは真っ先に国を裏切った。
内部情報を敵国に売却し、家族ごと国を去ったのである。
その後、国は占領され、首相は責任を取らされ戦犯として処分された。
後年、Aはインタビューに答えた。
「ずばり、なぜ裏切ったのですか?」
「戦争真っ只中に、ありもしない計画をどれだけ早口でそれっぽく言えるか大会、をやってまして。そんなに難しくない言葉だったし。駄目でしょ」
Aは裏切り者だったが、彼を責めた元国民は一人もいなかったという。
SF
公開:20/05/13 13:27
えふちゃんといいます。
高校の時から書きためていたショートショートをあげていければな…と思います。
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