冷蔵庫バロメーター
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「冷蔵庫がいっぱいだと、心が満たされるよねぇ」彼女が笑う。大学生の頃から付き合っている俺たちは、就職を機に小さな部屋を契約した。彼女の希望で、冷蔵庫だけは大きなものを買った。
俺たちは決まって日曜日に、自転車で20分かかる激安スーパーまで買い出しに行った。食材でいっぱいになった冷蔵庫を見つめる彼女の横顔が愛おしい。週の後半、中身が広々としてくると、彼女は少し残念そうだ。早く出世して稼いでくるから。国産の肉?有機野菜?好きなだけ買えばいい。あぁ、今日の夕食も最高に美味しい。「ちゃんと噛みなよ!すぐ飲み込むんだから。」わかった、わかった。
俺は我武者羅に働いた。夜も朝もなかった。飲み会にも積極的に参加した。上司の機嫌もとった。
ある夜帰って冷蔵庫を開けると、そこには何もなかった。いつから中身は減っていたのだろう。彼女が出した答えを噛み締めた。味のしなくなった日常を、俺はまだ飲み込めないでいる。
俺たちは決まって日曜日に、自転車で20分かかる激安スーパーまで買い出しに行った。食材でいっぱいになった冷蔵庫を見つめる彼女の横顔が愛おしい。週の後半、中身が広々としてくると、彼女は少し残念そうだ。早く出世して稼いでくるから。国産の肉?有機野菜?好きなだけ買えばいい。あぁ、今日の夕食も最高に美味しい。「ちゃんと噛みなよ!すぐ飲み込むんだから。」わかった、わかった。
俺は我武者羅に働いた。夜も朝もなかった。飲み会にも積極的に参加した。上司の機嫌もとった。
ある夜帰って冷蔵庫を開けると、そこには何もなかった。いつから中身は減っていたのだろう。彼女が出した答えを噛み締めた。味のしなくなった日常を、俺はまだ飲み込めないでいる。
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公開:20/05/11 23:35
こんにちは。
1歳児を子育て中の20代主婦です。
絵本を出版することが夢です。
週に1〜2つ投稿できたらと思っています。
どうぞお気軽にコメント下さい。
ご感想お待ちしております。
(画像はアマビエに扮した娘を描きました。
はやくこの事態が収束しますように…)
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