忘れる人が必ずいる増税

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『これは二度と戻りませんし、こちらの都合で増税して更に奪います。それでもかまいませんか?これは最終通告です』
『大丈夫だ』
そういって俺は思い出で納税した。
苦い思い出を。

それから何年たっただろうか。
まあ時間なんて興味ない。
俺はギャンブラーだ。
目の前の勝負しか興味がない。
摩耗したスリル。それが自己理由になった。

目の前のスロットが止まる。キャッシュもなくなる。
だが俺の勘が囁く。あとワンコインあれば勝てる。
「父さん! 探したよ!」
後ろを振り向くと青年が立っていた。
「誰だ?お前」
「父さんの息子だよ。覚えていないの? 父さんには苦い思い出しかないけど、一つだけ良い思い出があったから迎えにきたんだ。父さんにはその思い出はない? 公園で遊んだ思い出」
俺は思い出そうとし――
『増税開始します』
「父さん!あの良い思い出を思いだして!」
「良い思い出? ギャンブルで勝ったこと」
SF
公開:20/05/11 22:52
更新:20/05/12 07:32

偶々でかたま( そこらへん )

よろしくお願いします

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