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行きつけの古書店で真っ白な本を見つけた。
「それは描いた事が現実になる絵本当さ」
そんな本あるわけ-「裸の王様。あれは絵本当に書かれた本当にあった出来事だよ」
まさか…でも試してみたい気持ちもある。
私は本を購入し、家に戻ると早速話を描き込んだ。
主人公は私。ある日、宝くじで10億円当たる事から物語は始まる…何てね。
数日後、本当に10億円が当たった!これは本物だ!
私は絵本当に望みを描きまくった。何でも叶った。何もかもが私の思うがままだ!
そして私は虚無感に満たされた。これが幸せ?苦労もなく本に望みを描くだけで約束された成功が?
そんなの間違っている!
私は絵本当の残り数ページにこれまでの望みを全てキャンセルする過程を描いた。
消せば消す程私の心は幸せに満ちる。幸せは見つけるものだ。決めつけるものではない。
私の望みは全て消えた。これでいい。私は絵本当の最後にハッピーエンドと書き込んだ。
ファンタジー
公開:20/05/11 19:01

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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