深夜の味噌汁

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水を入れた鍋を火にかけ、沸騰したらわかめと豆腐を入れる。そこに顆粒だしと味噌を加えて煮立たせる。
「…うん。うまい」
深夜に味噌汁を作る。これが料理好きな俺の趣味だ。
「あ!!今日はわかめと豆腐の味噌汁だー!」
バタバタと足音を立てて彼女はキッチンを覗き込む。
「ここに焼きオニギリもつけたら最高だろうなー!」
「カロリーオーバーだよ」
何気ない会話を交わしながら、味噌汁を椀によそい、席についた。
「いっただっきまーす!」
「…いただきます」
味噌汁に手を伸ばす。
うん。さっきも味見をしたが、いい味だ。
「今日も美味しいね!!流石だよー!」
「お褒めの言葉、ありがとう」
「…いつも、お味噌汁作ってくれたらいいのにな」
彼女がポツリと呟いた。味噌汁はいつも作っているはず──
「あっ」
意味に気づいて、恥ずかしさで顔が火照った。彼女も真っ赤になっている。
隠していた婚約指輪を後で取りに行こう。
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公開:20/05/11 18:23

もちもち大豆

もちもち大豆です。よろしくお願いします。細々と書いていけたらいいな。

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