気がしてならない。
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小さい頃、カーテンの後ろに誰かがいるような気がしてならなかった。それは、わたしが家に一人でいることが多かったからだと思う。一番怖いのは、学校から帰ってくる時だった。わたしはいつも、誰もいない家の鍵を開ける必要があった。家に入り、玄関のドアを閉めると、急に心細くなることがよくあった。それから、リビングに繋がるドアを開けると、わたしはまず、大声を出した。自分を鼓舞するような、見えない相手を威嚇するような、そんな気持ちだった。あの頃のわたしは、臆病になり過ぎていて、それは少し病的でもあった。わたしは、ランドセルをカーテンに向かって投げつけたり、カーテンを何度も蹴ったり殴ったりした。一人の時、冷蔵庫にあったビールをよく飲んだ。悪いことをしている、という感情が、恐怖を少しだけ和らげた。今思えば、アルコールの影響もあったのかもしれない。両親は何も言わなかった。わたしは今、自分を騙しながら生きている。
その他
公開:20/05/11 17:08
更新:20/05/11 17:11
更新:20/05/11 17:11
基本的に、無、です。
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