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僕たちの教室が失踪した。
体育館で行われた卒業式のあと、教室に戻ろうとした僕たちだったが、誰も目的地に辿り着くことは出来なかった。今朝までは確かにそこに存在していたはずの教室が、忽然と消えてしまったのだ。
「どうして消えちゃったんだろう……」
「最近、真面目に掃除をしていなかったせいか?」
「こき使われて、嫌気が差したのかな?」
「いや……もしかすると、逃げ出したのかもしれないぞ」
その言葉に、皆がハッ――と息を呑んだ。
「ほら、俺たちがここの最後の卒業生だろ?校舎だって、来年には取り壊されるわけだし……それを察して、あの教室は逃げたのかもしれない」
などと様々な憶測が飛び交ったが、結局結論は出ないまま、僕たちは悶々としながら下校した。
次の日、奇妙な噂が僕たちの耳に届いた――隣町の学校で、教室が一つ増えるという怪事件が起こったそうだ。
……どうやら、あいつは転校したらしい。
体育館で行われた卒業式のあと、教室に戻ろうとした僕たちだったが、誰も目的地に辿り着くことは出来なかった。今朝までは確かにそこに存在していたはずの教室が、忽然と消えてしまったのだ。
「どうして消えちゃったんだろう……」
「最近、真面目に掃除をしていなかったせいか?」
「こき使われて、嫌気が差したのかな?」
「いや……もしかすると、逃げ出したのかもしれないぞ」
その言葉に、皆がハッ――と息を呑んだ。
「ほら、俺たちがここの最後の卒業生だろ?校舎だって、来年には取り壊されるわけだし……それを察して、あの教室は逃げたのかもしれない」
などと様々な憶測が飛び交ったが、結局結論は出ないまま、僕たちは悶々としながら下校した。
次の日、奇妙な噂が僕たちの耳に届いた――隣町の学校で、教室が一つ増えるという怪事件が起こったそうだ。
……どうやら、あいつは転校したらしい。
ミステリー・推理
公開:20/05/12 19:07
11/4~11/13の期間、「勝手に秋のお茶漬けデー」と題しまして、お茶漬けの物語を投稿中!(ストーリーに繋がりはありません)
11/4:「御茶ノ漬駅へようこそ」
11/5:「茶漬湖の底へ」
11/6:「神々しきお茶漬け」
11/7:「お茶漬け勇者の箸と匙」
11/8:「茶漬中毒」
11/9:「米どころ、茶漬けの祟り」
11/10:「茶が先か、卵が先か」
11/11:「檻の中。お茶漬けと一人」
11/12:「お茶漬け博物館」
11/13:「明日のお茶漬け」
お茶漬け、完結。充実したお茶漬けデーになりました……!
Twitter、ゆった~りと更新予定です。
https://twitter.com/dirokichiro?s=09
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