ある独裁者の解放

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「あああああ、めんどくせえええ!!!」

執務室をイライラしながら彼は歩き回っていた。机の上には書類が山積みになり、部下が何人か彼の顔色を伺っている。

「この程度のこと、お前らが勝手にやっておけよ。いちいち俺のところまで持ってくるな(怒)!」

「そうは言われましても、我々にはその権限がございません。ここは閣下の御裁量が必要なのです。」

「うっせえ、うっせえ! こんなことなら独裁者なんかにならなきゃよかった。」

元より彼は権力を望んでなどいなかった。偶然が重なった結果今の地位にいる。すべてのことが彼の判断を待っているようになった。

「なんのための大臣なんだよ! お前らに権限委譲するから任せた。俺は休みたいんだ。旅に出る!」

そう言って彼はワルサーPPKをこめかみに当て、引き金を弾いた。
その他
公開:20/05/12 20:00
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武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

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