彼女とドライブ

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「寂しすぎて最近、ぬいぐるみを助手席に乗せて運転しているんだよ」
笑いながら、大川先輩は言った。
私は、うふふ、と作り笑いをした。
同じ職場の同じ係。二人でパソコンに向かって残業していたけど、仕事に飽きたのか、冗談を言ってきた。
「誰か紹介してくれない?マジで彼女欲しいんだよね」
少し子どもっぽいけど明るくて仕事ができる先輩は私より2つ上だから27歳、私もときどき、恋人がいないのが不安になることがある。
「…なら、誰か見つかるまでの間、私と付き合いませんか?」
と言ったのがきっかけだった。
あっけにとられながらも、「それ良いかもね」と先輩はつぶやいた。

次の土曜日、ちょうど春なので桜の名所に行くことにした。私の家まで車で迎えに来てもらい、助手席に乗った。
赤信号で停まっていると、歩道から「大川ぁ!」と男性が声をかけてきた。
「いつもと違って、今日の彼女はべっぴんじゃないか」
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公開:20/05/11 00:00
更新:20/05/12 00:20

花菜子

2020/5/11始めました。400字の無限の可能性に魅力を感じています。思いついたことを記録しています。
最近あまりログインせず、コメントに気づかないこと多く、すみません。
 

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