雨とチョコアイス

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 今日は晴れだって言ってたのに、突然の大雨。わたしは、近くにあったマンションの駐輪場に逃げ込んだ。小さい子供用の自転車があり、ここは家族向けのマンションなのだと思った。何かの稼働音が、耳に響く。雨は激しく地面に落ち、跳ね返っているのが見てわかる。わたしは、この雨を知っている、と思った。通り雨だ。もう少ししたら、きっと、嘘みたいに晴れ上がるに違いない。わたしは、それまでここで待っていようと思った。わたしには時間があった。気掛かりは、コンビニで買ったチョコアイスの溶け具合だけ。食べちゃおうか、ふとそう思った。そして、食べちゃおう、と思った。コンビニの袋からアイスを取り出す。空になったヘナヘナのコンビニ袋は、とても頼りなく見える。それに比べて、右手に持ったこのアイスは、堂々としている。封を開ける。棒状の、少し溶けかかったチョコアイスが顔を出す。えい、と言わんばかりにかぶりついた。あ、雨が止んだ。
青春
公開:20/05/11 01:34
日常 アイス 背徳感

杉将

基本的に、無、です。

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