ピーマン ~己が何であるべきか~

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野菜軍と肉軍は、どちらが人間に食されるにふさわしいかを争っていた。
そこへ颯爽と仲介に入ったのが、ピーマンである。
「貴様、野菜の身でありながら、肉軍の肩をもつのか!?」
「野菜の嫌われ者であるおまえに、何の説得力がある?」
両軍、彼への罵声を止ませぬ中、ピーマンは驚きの行動を取った。
持っていた脇差しで、自分の頬を切り裂いたのである。
痛々しく開かれた傷口からは、なんと、ミンチ肉が現れたのだ。
「肉詰めピーマン!?」
「野菜と肉の、混血種・・・!?」
野菜でも、肉でもない、彼の隠された正体に、両軍は困惑が隠せない。
そして、ピーマンは堂々と言い放つ。
「大切なのは、どちらが適しているかじゃない。どうすれば、人間に美味しく食べてもらえるかだ」
彼の勇姿を目の当たりにし、両軍は互いに手を取り合うことを決意したのだった。
ファンタジー
公開:20/05/10 23:06
更新:20/05/11 13:47

つち

こんにちはwただいま趣味を迷走中  三(´Д`)の30代男です。
小説が書けるようになりたいです。思いつけばちょこちょこと投稿していくことを、今の目標にします。
何卒よろしくお願いいたします( ´∀`)
 

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