西洋館の幽霊⑤

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 島田師長からの相談はきっと昨日、俺が水本先生から引き受けた依頼と関係しているのだろう。お母さんが亡くなられてから、先生は島田さんと連絡を取り合い優介君達のフォローを続けてきた。その中で、俺が今の病院で看護師として働いている事も知ったらしい。

 仕事の後、島田さんの車で自宅を訪れた。子供達は塾で不在。仏壇に手を合わせた後、振り返ると島田さんは俯いたまま話し始めた。
「忙しい中すまない。相談は子供達の事なんだ。君が昨日、先約があると言ってたのは水本先生だったんだな。その後で先生から連絡をもらった。俺も君に相談したかった。頼む!」
 深々と頭を下げる島田さんを支えると肩は震え膝は涙で濡れていた。
 奥様が亡くなられた後、まず次男の良行君に異変が起きた。嘔吐して受診すると自家中毒との診断を受けた。無理もない。まだ6歳で1番母親の恋しい時期だ。この頃の事情は俺も知っている。島田さんは必死だった。
ミステリー・推理
公開:20/05/13 17:00
更新:20/05/13 16:10
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
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