三人乗り
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私がこの病院に勤務し始めの頃、奇妙なジンクスを聞いた。
「あの世の渡り船は三人乗りなの。一人退院したら、一か月以内にもう二人退院するんだよ」
この病棟の看護主任の言葉だった。
当初は信じていなかったものの、経験月数が増えるにつれて、どんどん信ぴょう性を帯びてきた。
周囲の環境なのか、四十五人という患者数に対しての割合の関係なのかは知らないが、とにかく一人退院すると最低二人は退院した。
そして今月の一日に、一人の患者さんが、多臓器不全によって退院した。
続けてもう一人、四十度の熱が下がらず、そのままこの世を去った。
三人目は誰だろう? 齢九十九で何があってもおかしくないおばあちゃんだろうか。
私は、戦々恐々としながら仕事をこなした。そして月末の朝、患者情報を確認する。よかった、誰も死んでない。
ほっとした矢先、朝礼で看護師長が言った。
「主任が心筋梗塞でなくなりました」
「あの世の渡り船は三人乗りなの。一人退院したら、一か月以内にもう二人退院するんだよ」
この病棟の看護主任の言葉だった。
当初は信じていなかったものの、経験月数が増えるにつれて、どんどん信ぴょう性を帯びてきた。
周囲の環境なのか、四十五人という患者数に対しての割合の関係なのかは知らないが、とにかく一人退院すると最低二人は退院した。
そして今月の一日に、一人の患者さんが、多臓器不全によって退院した。
続けてもう一人、四十度の熱が下がらず、そのままこの世を去った。
三人目は誰だろう? 齢九十九で何があってもおかしくないおばあちゃんだろうか。
私は、戦々恐々としながら仕事をこなした。そして月末の朝、患者情報を確認する。よかった、誰も死んでない。
ほっとした矢先、朝礼で看護師長が言った。
「主任が心筋梗塞でなくなりました」
ホラー
公開:20/05/10 15:00
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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