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『看護師の立中森一主任。ナースステーションにお戻りください』
精神科病棟に静かにアナウンスが流れた。
「あ。呼ばれちゃいました。もう大丈夫そうですか?」
「主任さん。おかげで今日は睡眠薬をもらわずに眠れそうです。聴いてくれてありがとう」
「またいつでも聴かせてください。待ってますから」
詰所に戻ると島田師長が空手で鍛えた剛腕を胸の前で組んで待っていた。
「すみません師長さん。何かありましたか?」
「もう終業時間過ぎてるよ。立中君はこの術、使わないとなかなかつかまらないし、君のサービス残業がまた伸びそうだったからね。それに今日は個人的に相談したい事もあって。この後ちょっといい?」
「師長さんが個人的な相談なんて珍しいですね。でも、すみません。今日は先約があって。明日でも大丈夫ですか?」
(先約がなければどれだけ気が楽だったろう)
俺は白衣を脱ぎながら、まだ先約から逃れる術を考えていた。
精神科病棟に静かにアナウンスが流れた。
「あ。呼ばれちゃいました。もう大丈夫そうですか?」
「主任さん。おかげで今日は睡眠薬をもらわずに眠れそうです。聴いてくれてありがとう」
「またいつでも聴かせてください。待ってますから」
詰所に戻ると島田師長が空手で鍛えた剛腕を胸の前で組んで待っていた。
「すみません師長さん。何かありましたか?」
「もう終業時間過ぎてるよ。立中君はこの術、使わないとなかなかつかまらないし、君のサービス残業がまた伸びそうだったからね。それに今日は個人的に相談したい事もあって。この後ちょっといい?」
「師長さんが個人的な相談なんて珍しいですね。でも、すみません。今日は先約があって。明日でも大丈夫ですか?」
(先約がなければどれだけ気が楽だったろう)
俺は白衣を脱ぎながら、まだ先約から逃れる術を考えていた。
ミステリー・推理
公開:20/05/09 19:00
更新:20/05/17 14:30
更新:20/05/17 14:30
立中森一(たてなかしんいち)
推理物シリーズ
創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
どうかよろしくお願いいたします。
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