天邪鬼(あまのじゃく)

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ある山に貧乏な男が住んでいた。その男は酒癖が悪く、いつも酒を飲んでは、ゴロゴロしている。そして男にはもう一つ悪い癖があった。それは使いたくないのにあまのじゃくを使ってしまうというくせだった。

ある日男は山の下にある、大きな町に大金持ちの店の娘を誘拐しに行った。酒のために金が底を尽きてしまったのである。男は隙を見て店に入り、誰にも見つからずに、娘を連れ去った。
娘の部屋に誘拐したという手紙を置いたから完璧だろう。男は娘を 自分の狭い家に閉じ込め、気分がいいので散歩をし始めた。 だが運が悪かったのだろうか。なんと娘の両親と警察に鉢合わせしてしまったのだ。両親が話かけてきた。
「娘を見てませんか」
「いいえ」
と言おうとしたのだが何しろあまのじゃくの癖があるのだ。反対の事を言ってしまった。
「はい」
この後男は両親と警察に質問攻めにあい、ついに自分が誘拐した ことを言ってしまった。
その他
公開:20/05/09 13:58
更新:20/05/09 17:59

OCHIWARA( 日本 )

星 新一ファンで、おもしろい話、感動できる話を作りたいと思っています
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