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ある日、空腹だったおれは、棚の奥にカップ麺を見つけて歓喜した。
さっそく湯をわかし、注ぎ入れ、待った。
ところが、しばらくするとカップ麺の蓋がもちあがり、その下からふたつの吊り上がった目があらわれた。やがて容器のふちに指がかかり、白くぬめりとした人体がぬっとカップからあらわれ、立ち上がるとぬぅとのびをした。
頭の上にはカップ麺の蓋。背中には亀のごとき甲羅。どうみてもカッパではないか。
これは珍しいとカッパをとらえようとしたが、逆にひっくりかえされた。カッパはおれから服をひっぺがして着こむと、ぴたぴたと出ていった。
おれはカッパを追いかけ部屋を飛び出した。
「カッパだ! そのカッパをつかまえてくれ」
両脇の家から人が次々あらわれた。でも連中は逃げたカッパよりこのおれをじろじろ見るばかり。ぬらりぬらりと、頭の上のカップ麺の蓋を揺らしながら。
さっそく湯をわかし、注ぎ入れ、待った。
ところが、しばらくするとカップ麺の蓋がもちあがり、その下からふたつの吊り上がった目があらわれた。やがて容器のふちに指がかかり、白くぬめりとした人体がぬっとカップからあらわれ、立ち上がるとぬぅとのびをした。
頭の上にはカップ麺の蓋。背中には亀のごとき甲羅。どうみてもカッパではないか。
これは珍しいとカッパをとらえようとしたが、逆にひっくりかえされた。カッパはおれから服をひっぺがして着こむと、ぴたぴたと出ていった。
おれはカッパを追いかけ部屋を飛び出した。
「カッパだ! そのカッパをつかまえてくれ」
両脇の家から人が次々あらわれた。でも連中は逃げたカッパよりこのおれをじろじろ見るばかり。ぬらりぬらりと、頭の上のカップ麺の蓋を揺らしながら。
ファンタジー
公開:20/05/09 22:43
更新:20/05/09 22:44
更新:20/05/09 22:44
再開しました。今までコメントをしてくださった方々、お返事できず失礼しました。
これからもよろしくお願いします。
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