18
12
病院を出て約束の喫茶店へ向かう。最近は日暮れが随分早くなり移動の足が急かされたはずだし、今日は大好きな人と会うはずなのに足が重い。それは日中から雲が暗いせいだと思い込ませた。
喫茶店には懐かしい顔があった。俺が中学の教員時代、学級担任をしていた時に学年主任として色々と教えてくれた水本公佳先生。
俺より5つ年上だけど、溢れ出る凛とした優しい雰囲気は変わらず、過ぎた年月を全く感じさせなかった。
「お久しぶり。十数年ぶりかな。立中君は変わらないね。元気だった?」
その変わらぬ和らかな空気に込み上げる何かをグッと飲み込む。
「お久しぶりです。なんとかやってます。何かご相談があるって」
そうだ。そもそも相談したい事があるなんて言われなければ俺は多分ここに来なかった。
「…ふぅ。相変わらず自分の事は言わないなぁ立中君は。あの時の事はもう忘れ」
「ご相談は何でしょう」
遮るのが精一杯だった。
喫茶店には懐かしい顔があった。俺が中学の教員時代、学級担任をしていた時に学年主任として色々と教えてくれた水本公佳先生。
俺より5つ年上だけど、溢れ出る凛とした優しい雰囲気は変わらず、過ぎた年月を全く感じさせなかった。
「お久しぶり。十数年ぶりかな。立中君は変わらないね。元気だった?」
その変わらぬ和らかな空気に込み上げる何かをグッと飲み込む。
「お久しぶりです。なんとかやってます。何かご相談があるって」
そうだ。そもそも相談したい事があるなんて言われなければ俺は多分ここに来なかった。
「…ふぅ。相変わらず自分の事は言わないなぁ立中君は。あの時の事はもう忘れ」
「ご相談は何でしょう」
遮るのが精一杯だった。
ミステリー・推理
公開:20/05/10 17:00
更新:20/07/04 07:49
更新:20/07/04 07:49
立中森一(たてなかしんいち)
推理物シリーズ
創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
どうかよろしくお願いいたします。
ログインするとコメントを投稿できます