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突如、東京の上空にとてつもなく巨大な人間の耳が出現した。
未曾有の事態を受けて、防衛省はすぐに調査を開始した。
現状、大きな被害は出ていないが、これが地球侵略の宇宙船で耳の穴(?)から戦闘機が出てきたら危機だ。しかし先制攻撃は愚策。友好的な宇宙人なら藪蛇になる。
その筋の専門家を集めても結局何もわからなかった。
人類は困惑した。
せめて口か目だったらよかった。
耳は口ほどにものを言わない。
あれは受信装置ではないか。との推測から、「ワレワレハチキュウジンダ」とあらゆる言語でメッセージを送った。
ダメだった。
かゆいんじゃないか。との推測から、巨大綿棒で穴をこすった。
柔らかそうな耳たぶが揺れたが、これもダメだった。
巨大送風機で、「ふーっ」とやってみた。
効果は絶大だった。
耳は気持ちよさそうに震えると、霞むように消えた。
しかし3日後、人類は再び困惑した。
今度は巨大な鼻が出現したのだ。
ファンタジー
公開:20/05/08 22:33
更新:20/05/08 22:34

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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