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私は空耳。
空の地獄耳の神だから空耳と呼ばれている。
昨日はプールが嫌だという少女の声を聞いたので、少女の通う小学校の周り1時間に33ミリの雨を3時間降らせた。プールが中止になったので、少女は喜んでくれた。
小さな子の笑顔は正義だ。
今日は初デートと張り切る男の声を聞いた。
「今日は初デートなんです。雨が降らないようにお願いします。神様―!」
と言われたので、雲一つない空を演出した。
が、男は汗だくだった。これでは手を繋いでも、ジメジメして気持ち悪い。
どうしたものか。
よし、雨を降らそう。
私は1時間に33ミリの雨を33分降らせてみた。
男はコンビニに走り、傘を買った。
これで相合傘になり、二人の距離が縮まるはず。
しかし、バケツをひっくりかえしたような雨だ。ビニール傘では何の役にも立たなかった。
すこしやり過ぎてしまったかもしれない
私は空耳。
耳だけに、降雨量は33ミリと決めている。
ファンタジー
公開:20/05/08 22:31
更新:20/05/08 22:33

ひすい

のりてるぴかの息子。
地味に多趣味な鉄道オタク
名前の由来はとあるゲームの作家志望のキャラクターから。
 

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