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「己に克つ」
そう目標を掲げた男がいた。
そこにある人間が現れて聞いた。
「目標が達成されたとどう自覚する？」と。
「そ、それは・・・」


男は問いに戸惑い、苦行をすることに。
そこにあの人間が現れて聞いた。
「私はあなたよりも厳しい苦行をしたが、この様だ」


男はどうして善いか分からず苦しみ続けた。
毎日毎日苦しんだ。


実は男は過去を引きずっていた。
そのため目標を掲げたのだ。
過去を吹っ切るつもりでも、過去に引っ張られ、目標から遠ざかる感覚になっていた。
目標を掲げたその日から。


男は苦しみ、頭を抱えた。
そこにあの人間が現れて聞いた。
「過去を振り返ってしまうのか？」
男はボソッと「はい」と答えた。
「それでも善いと思う」
「え？」
「過去を考えても、あなたは今ここにいる」
当たり前のことなのに男は少し楽になり、頭を上げた。
いろんな人が1人の男を心配して集まっていた。