醤油の量り売り

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小学校の頃お手伝いで醤油屋さんに、味噌や醤油を買いによく行った。
空の一升瓶を網目袋に入れ持って行く。
ペットボトル入り醤油が、ある訳でも無く全てが量り売りされていた。
店の人は大きな醤油樽の栓を抜き、漏斗に受け瓶に注ぎ込む。
空瓶をボッコ屋さんに売りに行けば、子供の小遣銭稼ぎにもなり、リサイクルがされていた時代だ。
ある日一升瓶を持って醤油を買いに行く途中、同じ様に空瓶を持って私の後ろを来る小ちゃな狸の子供がいた。キョロキョロと探している様だが今にも泣き出しそうだ。どうしたのと聞けば、酒を買って来るよう言われたが、お店の場所が分からない。
お兄ちゃんも瓶を持っているから同じ所に行くかなと思ってついて来たと。
酒屋さんは少し先だから醤油を買った後で、僕と一緒に行こうねと。
お金は有るのと聞けば、通帳を持っているから大丈夫と。
何んだ、宙返りして葉っぱをお札に替えないのか。見たかったのに!
ファンタジー
公開:20/05/08 20:24
更新:20/05/09 12:38

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