ぱっちりしたハンガー

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詰めが甘い、そんな事は随分前から分かっている。
駄目でズボラで何もやる気が起きない。
周りの評価ばかり気にして。
「疲れた。うんざりだ。」       そうつぶやいた。

社会に必要とされていないと山崎は常々、考える。何の為に私は存在するのかと。
心のハンガーに問いかける。
何もかかっていないハンガーに。

山崎は人の役に立ちたかった。自信が欲しかった。生きている価値を見出したかった。ハンガーは答える。すかすかのハンガーラックを自信で埋め尽くせと。
前向きな気持ちと絶え間ない努力と駄目な自分を受け入れる事。
山崎そのもの全てを受け入れ、前に進めと。

心のハンガーラックが自信で埋め尽くされた時、彼の人生は180度変わった。
諦める事なく、弱気になる事なく、自分を責める事無く、彼の心に灯火をつけた。
そして、ラックがいっぱいになり、目を覚ましたハンガーは人に愛を与える事を教えた。
その他
公開:20/05/08 18:59

ポエマータカノ( 横浜 )

愛を言葉で伝える事が使命だと感じている。
42歳のおじさんです。
カラオケ、料理、笑わすこと、読書、哲学、物思いにふけること大好きです。

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