橋の下家族

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おまえはうちの子じゃないんだよ。
あそこの橋の下で拾ってきたんだよ。

母親に言われた僕は、いつしかその橋へ通うようになった。
きっと本当の母も、僕を探してくれていると信じて。
今日も探し疲れ、河原に座り込む。コンクリートの柱に凭れた僕の上に、ぼたりと滴が落ちてきた。
……雨?
違う、これは涙だ。橋の涙。
「母さん!」僕は、橋から生まれた橋太郎だったのだ。
ファンタジー
公開:20/05/10 10:00
更新:20/05/09 10:39
#家族

にしおかゆずる

自分のペースででゆるゆると。
昔書いたtwitter小説を転載したりもしています。
 

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