おばけ屋敷

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「おばけ屋敷行かない?」
そう言ったのは誰か分からない。ただ、暇を持て余していた俺達4人はその提案に乗った。
廃屋と化した屋敷に入った俺達は二手に分かれた。徹と博之は2階。俺と隆は1階。
「何もねぇな」隆はつまらなそうに言う。
直後、徹の悲鳴が屋敷に響く。
急いで2階に向かうと徹が博之の腕を必死に引っ張っていた。
「助けてくれ!博之が幽霊に呼ばれている!」
3階へと進む階段の上、不気味な影が博之を呼んでいた。
「行くな博之!」隆が足を引っ張る。
「こいつ、凄い力だ!」俺は胴を抑えるも博之の足は止まらない。
「何事だ?」外で見張りをしていた大介が駆け込んできた。
…そう言えば俺達は3人でここに入った。博之って誰だ?
気付いた俺達は一斉に距離を取った。
博之が舌打ちをして消えた。

数年後、仕事帰りにすれ違った若者達が「おばけ屋敷行かない?」と話していた。
その声に振り向くと博之が笑っていた。
ホラー
公開:20/05/07 09:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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