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椅子の上に退屈そうに置かれた脚が言った。
「空を飛びたいのだが」
すごく退屈そうだから、中途半端にはなるが願いを半分叶えてやった。
ベランダから宙に脚をぶら下げる。
どうだ、気持ちいいか?と聞くと
「そろそろ独立したい」と返ってきた。
自分の脚を切るわけにはいかないし、それはできない。僕とお前は一心同体、腐れ縁なのだ。と言うと、
「一緒に地獄に落ちるのか」
やれやれと、溜息まじりに言われた。
脚はベランダの中に吸い込まれるように戻ってきた。
僕は言った。
立てないと首を吊りに行けないのだ。と。
快晴、夏の匂いのする昼下がり。
木にかけた縄で首を吊った。
脚はぶらぶら揺れて、地獄行きの道中を楽しんだ。
目が覚めると病院だった。
失敗したか。
脚は言う、
「本当の地獄はココだな、よお、相棒」
窓の外は大雨だった。
脚は笑った。
「次こそ空を飛んだほうが良さそうだな。俺の夢も叶う。」
「空を飛びたいのだが」
すごく退屈そうだから、中途半端にはなるが願いを半分叶えてやった。
ベランダから宙に脚をぶら下げる。
どうだ、気持ちいいか?と聞くと
「そろそろ独立したい」と返ってきた。
自分の脚を切るわけにはいかないし、それはできない。僕とお前は一心同体、腐れ縁なのだ。と言うと、
「一緒に地獄に落ちるのか」
やれやれと、溜息まじりに言われた。
脚はベランダの中に吸い込まれるように戻ってきた。
僕は言った。
立てないと首を吊りに行けないのだ。と。
快晴、夏の匂いのする昼下がり。
木にかけた縄で首を吊った。
脚はぶらぶら揺れて、地獄行きの道中を楽しんだ。
目が覚めると病院だった。
失敗したか。
脚は言う、
「本当の地獄はココだな、よお、相棒」
窓の外は大雨だった。
脚は笑った。
「次こそ空を飛んだほうが良さそうだな。俺の夢も叶う。」
ホラー
公開:20/05/07 04:14
更新:20/05/07 04:41
更新:20/05/07 04:41
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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