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「どうした眉間に皺よせて」
「……俺は今、時間について考えているんだ」
「時間?」
「聞いてくれ。多くの哲学書ではこのように語られている。『時間とは、唯一貧富の差に関係なく与えられる平等なものだ』と。俺はこれに異論を唱えようと思う。それは寿命論だ。時間は誰の上にも平等に流れる。だが人間には寿命がある。人間は個々与えられている時間に違いがあるということだ。例えば生まれて五分しか生きられない赤ちゃんと、九十五年生きた爺さん、これの感じた五分は同じものであろうか。九十五年の人生を五分に凝縮されるわけはない。となると、五分は誰にとっても五分であり、五分でしかないのだ。これは不平等なことではないか。時間とは何なのだ。貴重で儚く、掴んだと思えば過去に変わって……」
「お前が分からないのならたった一つの真実を教えてやろう」
「ん?」
「お前の話を聞いて分かったんだ。……たった今、俺は時間を無駄にした」
その他
公開:20/05/08 11:25
更新:20/05/08 11:25

牧原加奈( 大阪府 )

牧原加奈です。
よろしくお願いします。

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