実験家族

とある4人家族のお家に突然、雷が落ちました。幸いにも全員命は無事でしたが、この雷が原因で家族はバラバラになりました。

実はこの4人家族は、本当は赤の他人で、実験のために無理やり記憶を操作されて作られた偽物の家族だったのです。

雷の衝撃で本来の記憶を取り戻した4人は、泣きました。今までの幸せな生活や楽しかった思い出が全部嘘だったのかと。

そして、4人は駆けつけた研究員の方にお願いしたのです。また記憶を操作して自分たちを家族に戻して欲しいと。

しかし、研究員は言いました。
「記憶を操作できるのは一回だけなんです」それ以上は脳が耐えきれず障害を起こしてしまうと。

一ヶ月後、4人はまた家族になりました。今度は実験ではありません。赤の他人と知っていても、同じ家に住み生活を共にする、それが家族なんだと知ったからです。