縄文家族

私達家族はどうやらタイムスリップというものをしたようだ。しかも教科書で見てきたあの縄文時代に。見渡す限り高い建物はないし、服はほぼないし、色んなにおいがすごくするし、裸足だ。でも、戻る手段がない今、ここで生きていくしかない。ここ数日なんとか周りを真似て生きてきた。みんな親切できっと少し浮いている存在の私達を温かく受け入れてくれた。狩りも石で火をおこすのもしたことなかったけど、1番驚いたのは、私達家族の決まりだった、『最後の1個はみんなでじゃんけん』が通用しないことだった。ここに来てからじゃんけんというものが存在していないようだった。だからみんな分け合う。近所の人も家族の中でも分け合い、もめたり文句を言うこともない。これが教科書で見た争いがないという世界かとみんなが納得した瞬間、私達は世界に戻ってきた。どうやら私達家族は譲り合いのお勉強をさせてもらえたようだ。