めぐる家族

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病床の天井の次に見えたのは、助産師だった。抱きかかえられた私は大声で泣いている。「元気な女の子ですよ〜」その言葉に、分娩台の娘は安堵の表情を浮かべた。
どれくらい意識を失っていたのか。私は輪廻転生し、自分の娘の子どもとして産まれたようだ。記憶の中ではさっきまで大泣きして私を看取った大学生が、大人になり、今度は私を見て笑っている。

新生児室からうちに帰ると、私の遺影の隣に旦那のものも並んでいた。私が染めたデニムのシャツを着ていて嬉しかった。記憶より老けているので、長生きしたみたいだ。
パパは育休をとり、毎日世話してくれた。「いい人見つけたわね」と娘に言いたかったが、初めて喋る言葉に相応しくないのでやめておいた。

ハイハイを習得すると、色んな部屋に旅に出た。一階で子犬を飼っているのを知ったのはその時だ。近づくと「くうん」と鳴いて寄ってきた。その体からほのかにインディゴの香りがした。

え?
ファンタジー
公開:20/05/06 09:35
更新:20/05/06 09:57

西木( Tokyo/Tokushima )

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