つけっぱなし危険な本

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恋は盲目とはよく言うが周りが見えなくなる。
ここに一冊の本がある。誰にも読まれる事無く、本棚にしまってある本。
青春、それは初恋。
少年は言った。「好きです。」そう言った。少女は言った。「考えさせて。」と。
猛アタックが始まった。燃えている。
情熱が。振り向かせたくて、ただ思いつくままに喜ばせようと。
周りが見えなくなっていた。寝付けなかった。読んだことのない本を手にとった。
そして閉じた。
ほんの一瞬、光ったように見えた。
少年は気持ちを抑えた。我慢した。
走った。何も考えずに。
頭の中を真っ白で埋め尽くしたかった。
「友達からでもいいなら。」少女は言った。
楽しかった。純粋に。思いつくままに、楽しい時間を過ごした。
少女に優しさを求めた。何も与えないまま、求めるようになった。
本は光らなかった。終わりを告げていた。
情熱が心についたままその恋は終わった。
恋愛
公開:20/05/06 08:43

ポエマータカノ( 横浜 )

愛を言葉で伝える事が使命だと感じている。
42歳のおじさんです。
カラオケ、料理、笑わすこと、読書、哲学、物思いにふけること大好きです。

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