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「先生が好き」そう言って抱きついて困らせたのは、雨の日だった。教室の外に降る激しい雨の音。ふたりきりの薄暗い美術室の中で、私たちはあの時、秘密を共有してしまった。私の愛の告白という秘密を。そういう意味では既に私たちは、もう教師と生徒ではなかったのかもしれない。
「優しさをくれる大人への好意を、恋だと勘違いしているだけだ」
先生はそう言って私を遠ざけた。私は高校の3年間先生に全く相手にされず、大学に進学した。私は卒業後も先生にストーカーまがいのしつこさでアピールし続けた。
「もう学校に来られると困るから」
先生はこう続ける。
「だからこの鍵持って先に帰ってて。どうせ家知ってるんでしょ」
先生は準備室の鍵を渡すように、自然な動作で私に鍵を渡した。
「何されても文句言うなよ」
今日もあの日のような雨。私達にまた新しい秘密ができた。先生の濡れた髪を拭いてあげるから、傘は差さないで帰って来て。
「優しさをくれる大人への好意を、恋だと勘違いしているだけだ」
先生はそう言って私を遠ざけた。私は高校の3年間先生に全く相手にされず、大学に進学した。私は卒業後も先生にストーカーまがいのしつこさでアピールし続けた。
「もう学校に来られると困るから」
先生はこう続ける。
「だからこの鍵持って先に帰ってて。どうせ家知ってるんでしょ」
先生は準備室の鍵を渡すように、自然な動作で私に鍵を渡した。
「何されても文句言うなよ」
今日もあの日のような雨。私達にまた新しい秘密ができた。先生の濡れた髪を拭いてあげるから、傘は差さないで帰って来て。
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公開:20/05/06 12:52
みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
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