今日の家族
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朝、一番にリビングに降りてくるのはお母さんだ。エプロンを後ろ手で結びながら、昨日はお兄ちゃんだったお母さんが台所へと入っていく。
お兄ちゃんだったお母さんが朝食を用意する音を聞きながら、階段を眺める。少しして、もう一人降りてきた。お父さんだ。昨日はお母さんだった。
お母さんだったお父さんが新聞を広げると、お兄ちゃんだったお母さんがお母さんだったお父さんに文句を言いながら、ダイニングテーブルへ朝食を並べていった。なかなか起きてこなかったお兄ちゃんと妹と弟は、競争するようにして階段を降りてきた。昨日妹だったお兄ちゃんは眠そうに頭をかき、お父さんだった妹は寝癖を気にして髪を引っ張る。弟は今日も弟だった。
「体操着洗ってくれた?」
妹だったお兄ちゃんが尋ねると、お兄ちゃんだったお母さんが首を傾げて、お母さんだったお父さんは知らん顔でコーヒーをすする。
五人家族のいつもの朝に、私はふふふと笑った。
お兄ちゃんだったお母さんが朝食を用意する音を聞きながら、階段を眺める。少しして、もう一人降りてきた。お父さんだ。昨日はお母さんだった。
お母さんだったお父さんが新聞を広げると、お兄ちゃんだったお母さんがお母さんだったお父さんに文句を言いながら、ダイニングテーブルへ朝食を並べていった。なかなか起きてこなかったお兄ちゃんと妹と弟は、競争するようにして階段を降りてきた。昨日妹だったお兄ちゃんは眠そうに頭をかき、お父さんだった妹は寝癖を気にして髪を引っ張る。弟は今日も弟だった。
「体操着洗ってくれた?」
妹だったお兄ちゃんが尋ねると、お兄ちゃんだったお母さんが首を傾げて、お母さんだったお父さんは知らん顔でコーヒーをすする。
五人家族のいつもの朝に、私はふふふと笑った。
その他
公開:20/05/06 11:25
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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