夜と共に

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星が綺麗な日だった。蛾が街灯に羽を焼かれてる。
カーテンをそっと閉めた。
私は暗闇に安堵し、静けさを身に纏う。
瞳孔が開くにつれてゆっくりと現れる君。
こんばんは、と挨拶も言い終えぬうちに口を塞がれた。
君は私を抱擁する。甘美な罠のよう。
朝が来ることなど今は忘れてしまおう。
君の目の奥に宿る青い炎。
吸い込まれそうだ。いや、抗うのをやめたい。身を委ねていいだろうか。
君の冷たさが心地よかった。
どうかこのままで。


神父の祈りが聞こえた。

この暗闇は私の瞼の中だけなのか。
少し残念に思っていると、君がきた。
目の奥の青い炎。
どうかつれて行って。
「こんばんは」
君の声を初めて聞いた。優しい声だった。
どうかこのままさらって欲しい。
私は永遠に続く君を願った。

その日、私はずっと君に手を引かれて行った。
以来、街に日が昇ることはなかった。
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公開:20/05/06 11:13
更新:20/05/06 11:35

夜野 るこ

  夜野 るこ と申します。
(よるの)

皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。

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