お母さんが使うカーテン

0
2

朝が来ると母はカーテンを開けておはようと言う。
父と母はよく喧嘩する。本気で喧嘩する。
父が出て行った。一週間、帰って来てない。僕はそんな悲しい光景をよく見る。
そんな光景を望んでないのに。
そりゃ、ゲームばっかりするよ。そうでもしてなきゃ、やってらんないよ。
半分、引きこもりだよ。
子供の気持ちも考えられないのかね。
いつも、心の中で思っていた。
カーテンを開けた。僕には見えたんだ。
父と母と僕が抱き合い、父と母が二度と喧嘩しない光景が笑い、喜び、幸せな家族の景色が。でも、違った。
喧嘩している父と母は嫌だったがカーテンの外に見えた光景は毎日に刺激が足りない、僕の脳みそがただ、見せただけなんだなと。トラブルがないとつまらないもんね。だってさ、いつものように、父は帰ってきて、皆で食事をしながら笑っているんだから。
母の使うカーテンはつまらないにちじょうを見せてくれただけなんだな。
その他
公開:20/05/06 10:59

ポエマータカノ( 横浜 )

愛を言葉で伝える事が使命だと感じている。
42歳のおじさんです。
カラオケ、料理、笑わすこと、読書、哲学、物思いにふけること大好きです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容