執刀医

私が本日、貴方の手術を担当する執刀医、山田です。よろしくお願いします。
大丈夫ですよ。私はこの手術の第一人者です。私程貴方の摘出手術に適した者はいないと自負しております。
では、これより手術を始めます。

…どうですか？お気持ちは？
胸がスッとしている？それは良かった。貴方の中の嫉妬の炎はこの通り、全摘出しました。
私は嫉妬摘出専門の嫉妬憂医ですから。嫉妬を憂い、その炎を摘出する事の出来る医師。嫉妬憂医、それが私です。
この炎、残念ながら非常にみにくく、発見する事が困難です。だから発見が遅れるです。
そして手遅れになると嫉妬の炎が己を焦がす…その前に摘出出来て良かったです。
胸の熱が引いたでしょう。冷静になって考えてみると嫉妬するのもバカバカしいことですよ。
ああ、この手術はそんなに難しいものではありません。コツさえつかめば簡単ですよ。
だから私はそれほど嫉妬されることもないんです。