偽装家族

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「パパ?」
「ここに居るよ」
 パパと6歳の匠。ママは友達と10歳のメグを連れて女子会。毎日が普通に幸せに流れていた。匠はお腹が空いてべそをかき、パパは得意なスクランブルエッグを作る。「匠、イタリア風卵焼き出来たぞ、熱いから、ゆっくり食べろよ」のパパの言葉もよそにバクバクと食べ始めた。
「ママとメグは何を食べてるかな。匠も行きたかったか?」
「僕は男だから女達とは行かないさ」とTVの台詞。パパは大爆笑。
 一方ママとメグは友達と話に夢中であった。メグの今日の夕飯餃子よね、の言葉で「遅くなってごめんね。すぐ餃子焼くからね」と滑り込むように帰宅した。いただきまーす!と掛け声をかけた瞬間、聞いたことのない電子音が鳴り響いた。メグが10年間お疲れ様ありがとう、と言い家を出た。匠は餃子を1つ食べじゃまたね、と家を出た。ママは偽装家族10年間ご契約ありがとうございました。またご利用ください。と。
ミステリー・推理
公開:20/05/06 10:43

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