『ポンコツ家族』

「ポンコツコンピューターにはなるなよ」
劇団の養成所時代に、一番お世話になった講師の方から頂いた言葉だ。
ボタンを押すと声が出るコンピューターみたいな芝居をするのではなく、心を動かしてこそだぞと、伝えてくれていたのだと思う。
その後同期5人組で
新感覚エンターテインメントユニット
ポンコツコンピューター☆を組んだ。
なるなよと言われたのに、よっぽど印象に残っていたのだろう。
当初の予定では1つのイベントに出る為だけに組んだのだが、あまりにも本番が楽しすぎて活動は続いた。
歌って踊ってコントしてスリッパタップをして、ほぼ毎日会っていた。
本当の家族よりも会っていたと思う。

喧嘩別れ、再会なんかもありながら、今はそれぞれの道を歩んでいる。
あの頃僕らは全力でガムシャラだった。
「きっと前世もどこかで繋がっていたと思うんだよね」
ある日突然、リーダーから放たれた言葉。
ポンコツさがしは続く。