3
3

どうなさいますか?
デパートの店員はそう言って愛想笑いを浮かべた。
高価な動物翻訳機をどうしても欲しい理由が私にはあるのだ。

一人ぼっちの生活にマルチーズのムクちゃんが来たのは一年前。
妻に先立たれ私を気づかって、子供達がプレゼントしてくれた。
かわいいムクちゃんは、事あるごとに私の顔中なめて、あまえてくる。

ところが最近、元気がない。
病院に行っても原因はわからない。

デパートを出ると、公園へ駆込んだ。周りに誰もいないことを確かめ、ヘッドホン型の翻訳機を付けてみた。
「お腹すいたね チュン チュン」私は耳を疑った。
スズメたちの話が分かるではないか。
私は逸る気持ちを抑え家に着くと、ムクちゃんを抱きしめた。
「さあ、何て言っているのかな?話しておくれ」
私は翻訳機のスイッチをオンにした。

「じじい 口臭いんだよ ワンワン」
ムクちゃんはいつもと変わらないつぶらな瞳でそう答えた。
SF
公開:20/05/06 07:26
更新:20/05/06 14:32

あおぞら

はじめまして あおぞらです。
読んでいただけたら、この上なく幸せです。
どうぞよろしく!!(^_-)-☆

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容