殺し屋家族

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おれは殺し屋だ。例え親兄弟でも、依頼とあれば確実に殺す。それがおれの仕事だ。
今回のターゲットは兄だ。
もちろん慎重に狙いを定めて、ライフルで眉間を一撃で打ち抜いた。殺しに余計な感情は不要だ。殺して金をもらう。それがおれの生活の全てだ。
次の依頼は弟だった。依頼主からの希望もあり、ウエイターに扮して、ワインに遅行性の毒物を入れることにした。弟が死んだことは、新聞記事で確認した。
どんな殺しでもやり遂げるのが、おれの主義なのだ。
もちろん兄弟から狙われることもある。ベテラン殺し屋の兄から襲われ、隙をついて逆に絞め殺したこともある。そのときは、ついに兄を乗り越えたと、不思議な達成感を覚えたものだ。
それにしても、何人兄弟を殺せばよいのだろうか。
”人類みな兄弟”とはいうものの。
ミステリー・推理
公開:20/05/05 22:27

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