流星酒

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都内に隠れ家的なバー『プラネタリウム』がある。その店名のとおり、店内の天井には満天の星空が映し出されている。
マスターに妻との結婚記念日で訪れたと告げると、お任せでお酒を作ってくれるという。しばらくして見た目がスパークリングワインのようなお酒が出てきた。
マスター曰く、フランスのシャンパーニュ地方では、シャンパンの泡を星に見立てて「星を飲む」と表現するらしい。
また、シャンパンの泡に幸せという意味があり、グラスの中にある無数の泡が下から上へと絶え間なく流れることから、いつまでも幸せが続くといわれているらしい。
ロマンチックな雰囲気も手伝って美酒に酔いしれていると、突然グラスの中の泡が上から下へと逆に流れ始めた。するとマスターが、この泡の流れはめったに起こらない「ラッキースター」という現象で、この間だけ願い事が叶うという。すかさず妻との永遠の愛を誓った。
店を出ると、夜空に流星群が見えた。
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公開:20/05/05 21:15
更新:20/05/05 22:26
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山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育ち、大学時代は京都(御所の近く)、大学院時代は湘南(海ではなく山側)で過ごす。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年06月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。

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